21世紀教育研究所 ブログ
不登校を克服したお母様の体験記

まずはリサーチ。知らなければ選べません

ペンネーム M.Aさん

娘が中学校に「普通」に登校したのは最初の数か月あまり。そんな娘も今は通信制高校の一年生です。日々、課題に取り組み、計画的に登校しています。

娘は中一の夏から不登校になりました。体調を崩し、早退を繰り返すうち、登校できなくなったのです。当初は「いじめられてるの?」と問い詰めたり、「ずる休みするな」と布団をはがしたりしました。ある日、娘の蒼白な顔色を見て、ひとつの病気が頭に浮かびました。調べれば調べるほど、娘の症状に当てはまる…。その後、専門医の診察を受け、「起立性調節障害」と診断されました。

病名がつくと、私は「午後からは登校できるはず」と娘を追い詰め、逆に登校を難しくしてしまいました。学校からは保健室登校などを提案していただきましたが、娘はそれを受け入れませんでした。部活のみに参加していた時期もありましたが、しばらくは全く登校しない日々が続きました。斜線と1が並ぶ通知表を見て、「このままでは高校に行けない」と私は不安でたまりませんでした。

親子で悶々と過ごしていましたが、次第に娘は家で学校の課題に取り組むようになりました。ドリルや学校から出されるプリントなどで勉強するのです。しかし、娘ひとりでは解けません。私が教えることにしました。本を読んだり、ネットで講義を見たり、一緒に勉強しました。仕事を終えて帰宅し、家事を済ませると夜遅くなってしまいます。起立性調節障害にはよくない夜更かしをさせてしまうことも度々ありました。また、勉強中にけんかになることも同じくらいありました。家で学習したところを担任の先生に見てもらう。毎日、放課後に登校するリズムができあがりました。決して無理強いされることなく、多くの先生方に支えられ、娘は登校を続けることができました。今思うと、この学習スタイルは通信制高校のそれと似てますね。

三年生になり、娘が通信制高校の相談会に行きたいと言いました。私は通信制高校についてはほとんど知りませんでした。会場で高校の先生から伺うことは知らないことばかり。いよいよ高校選びがスタートです。ネットで調べ、資料を取り寄せたり、高校で行われる説明会にも参加しました。通信制といっても様々です。朝から授業を受けることが必須な学校、週の登校回数を選べる学校。並行して補習校に通う場合もあるそうです。行事や部活動に対する取り組み、学費についてもかなり幅があります。全日制普通科より選ぶのが難しいと思いました。

そんな中から、娘は自分で行きたい高校を選びました。必須は週に1回のホームルームのみ、午後からの登校で通える学校です。入学試験が面接のみという点も重要でした。

娘は制服を着て登校しています。私は通信制高校に制服があることさえ知りませんでした。服装や髪型に決まりはありません。生徒たちが縛られるのはスカートの丈や髪色ではありません。単位です。必要な単位を取得すれば、普通科高校卒業となります。教科ごとに必要なスクーリング数があります。自分で計画を立てて出席しなくてはなりません。レポートも期限までに提出します。自分を甘やかせば、後で泣くことになります。もちろん、そうならないよう、先生方が支えてくれます。

私は娘の入学式に出席しましたが、新入生の多さに驚きました。報道でも通信制高校の人気が高まっているとありました。進学先は選べるのです。全日制か否かだけではありません。まずはリサーチしましょう。知らなければ選べません。インターネットだけでなく、相談会や高校の説明会に足を運んでください。中学校の先生にも頼りましょう。この過程でお子さんのやりたいこと、今、できることがきっと見つかります。

 

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